※この記事は2018年に開催された「幼い子との接し方としつけ」講演&相談会の内容を抜粋し編集したものです。
※英語・中国語版あり
Q. 夫婦で子育ての意見がすり合わせられません
子どもが靴を履くことや自転車でのヘルメットを嫌がるが、危険もあるしどこまでをイヤイヤ期ということで見守ってあげるか、
夫と話し合うのですがなかなか意見をすり合わせられません。
A.
お父さんとお母さんでしつけの判断が違うことはよくありますが、子どもの立場からすると、お父さんとお母さんが一致している必要はないんです。
子どもは親単位で見るということをしていません。
「こういう場面の時、お父さんはどうするだろう。お母さんはどうするだろう、おばあちゃんはどうだろう、幼稚園の先生はどうだろう」と、
相手との関係できちんと判断します。
その上で自分で考える力を持っているので、そういう意味で違いがあっていいと思うのです。
家族というのは、互いの違いを認めて共に生きるということです。
一致していたらつまらない。違いがあっていいのです。
なぜ違うかというと、それぞれ育ってきた歴史が違うから、一致するのは難しいということに尽きます。
子どもはよく見ています。おばあちゃんのうちではこれはやっていい、お母さんがいる時はやっちゃダメ。
それで結局のところ子どもは何を基にするかというと、お母さんの判断なんです。
うるさいなとかきついなと思うけど、基準はお母さんです。
なので、お母さんが自分の判断で自信を持ってやるということで十分だと思います。
その上で、違いのある人がたくさんいればいるほど、応用の効く子になるわけです。
だからそれもまた大事な経験なんです。
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アドバイザー:内田良子氏(児童心理カウンセラー)
73年より東京都内数ヶ所の保健所にて相談活動を続け、98年から「子ども相談室・モモの部屋」を主宰し、不登校、非行、ひきこもりなどのグループ相談会を開いている。立教大学非常勤講師、NHKラジオの電話相談「子どもの心相談」アドバイザーも経験。全国各地の育児サークル、登校拒否を考える親の会、幼稚園などでも講演多数。著書『カウンセラー良子さんの子育てはなぞとき』、『幼い子のくらしとこころQ&A』『登園渋り登校しぶり』