※この記事は2018年に開催された「幼い子との接し方としつけ」講演&相談会の内容を抜粋し編集したものです。
※英語・中国語版あり
Q.白いご飯しか食べない(4歳)
食べ物のこだわりが強く、ほとんど白いご飯しか食べません。
他に食べられるものは、ふりかけをかけたご飯、パン、お魚、枝豆、果物類だけです。
小学校に入って給食が始まると、食べられない子は昼休みも遊ぶ時間がなくなるまで食べないといけない。
そうすると食べる幅が狭いうちの子は休み時間がなくなってしまうので
とにかく食べるように勧めるのですが、食べません。
A.
基本的に蛋白質も取ってるし、炭水化物も取っているので栄養としては問題ありません。
実は人間って、食べるものに精神状態が現れるんです。
精神的に不安定になった時は食べ物の幅がぐんと狭まる。
匂いにも敏感になり、食べた時の口触りがモソモソするとか、そういうのがダメになる。
食が偏る時というのは、精神的に不安定になっている可能性があるので、
そういう時は「今はこれが食べられないんだね」とやさしく接してほしいんです。
子どもって面白いもので、勧めると食べないんですよ。
だから、無理に食べさせないようにしようと思ったら済むことなんです。
学校給食に関してですが、これは学校のやり方が間違っています。
食べる強制というのは、虐待なんですね。
これは一種の給食虐待であると、親がしっかり学校に言うべきです。
親のことを学校は「保護者」と言いますね。法律でも親は「保護者」となっています。
保護者というのは、子を保護する人です。
遊ぶ時間を奪われるような生活になると、子どもは学校が嫌になります。
すると、教育の機会が奪われてしまう。
そういうことはやめてほしいということを、しっかりはっきり言える大人に、保護者に、なることが必要なのです。
困ったことは、親が学校に言っていく。お母さんが言ってくれたことで、子どもはすごく安心します。
それともうひとつ、子どもが食べるものを嫌う食品の中にアレルギーの元になっているものが結構あるんだそうです。
それで子どもの体が拒否しているのかもしれない。
だから栄養士さんは、子どもの食べず嫌いや、嫌いなものは無理強いしない方がいいと言います。
子どもの好き嫌いは、精神的な状況、あと体の状態によって総合判断した方がいいと思います。
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アドバイザー:内田良子氏(児童心理カウンセラー)
73年より東京都内数ヶ所の保健所にて相談活動を続け、98年から「子ども相談室・モモの部屋」を主宰し、不登校、非行、ひきこもりなどのグループ相談会を開いている。立教大学非常勤講師、NHKラジオの電話相談「子どもの心相談」アドバイザーも経験。全国各地の育児サークル、登校拒否を考える親の会、幼稚園などでも講演多数。著書『カウンセラー良子さんの子育てはなぞとき』、『幼い子のくらしとこころQ&A』『登園渋り登校しぶり』