【子育てはなぞときQ&A集】脅かさないで公共マナーやルールを伝えるには?(4歳)

※この記事は2018年に開催された「幼い子との接し方としつけ」講演&相談会の内容を抜粋し編集したものです。

※英語・中国語版あり

 

Q. 脅かさないで公共マナーやルールを伝えるには?(4歳)

 

横断歩道で、黄色い線の内側で待とうねと言うのですが、乗り物が好きなのでいつも黄色い線のギリギリのところに立ちます。交通量が多いからもう少し後ろに下がった方がいいよと言うと「僕は言われた通りに立ってるのに、どうして今はだめなの?僕はここにいたい」と納得してくれません。

交通量が多かったり危険がある場所で、本人の意思を尊重しながら脅かさないで公共のマナーやルールを伝えていく方法はありますか?

 

 


A.

これは4歳の子の典型的な賢さなんです。言われたことはきっちり守る。

だけど融通をつけたり忖度するといった大人の感覚がまだ育っていないのです。

 

まずは「黄色い線のギリギリのところに立っててえらいね」と褒めてください。

 

「でも交通量が多いからママが怖い。だからママと一緒に下がって」というふうに、

ママは怖いからちょっと後ろに下がる、だからあなたもママを守って一緒に下がって、という言い方をするんです。

 

ルールを守っていることは認めつつ、お母さんの状況判断を伝えてください。

 

「ほら、周りの人もいつもより後ろに下がってるでしょ」と状況も見てもらいながら、子どもに説明して納得してもらう。

 

これは一回じゃ無理なんです。

何回か繰り返すと、「そういうものなのか」と自分のものになる。

 

自我が育っている子どもは、繰り返し同じものを見て違う場面を経験する事によって、総合判断ができるようになるんです

 

お母さんが言ったことをしっかり守る、そのことを「本当にいい子だね」と認めてあげるというのがとても大事だと思います。

 

……………………………………………………………………………………………………….

アドバイザー:内田良子氏(児童心理カウンセラー)

 

73年より東京都内数ヶ所の保健所にて相談活動を続け、98年から「子ども相談室・モモの部屋」を主宰し、不登校、非行、ひきこもりなどのグループ相談会を開いている。立教大学非常勤講師、NHKラジオの電話相談「子どもの心相談」アドバイザーも経験。全国各地の育児サークル、登校拒否を考える親の会、幼稚園などでも講演多数。著書『カウンセラー良子さんの子育てはなぞとき』、『幼い子のくらしとこころQ&A』『登園渋り登校しぶり』