※この記事は2018年に開催された「幼い子との接し方としつけ」講演&相談会の内容を抜粋し編集したものです。
※英語・中国語版あり
Q.テレビや映画をとても怖がる(7歳)
アンパンマンなど子ども向けのテレビや映画でも、すぐに怖くなって目と耳を塞いで部屋の隅に逃げてしまいます。
日常生活では怖がりすぎて困るということはないのですが、小学生なのに幼児が見るようなものを怖がって
大丈夫かなと心配してしまいます。
A.
「怖い」とか「恥ずかしい」ということが分かるというのは、自我が形成できているからなんです。
自分で感じて自分で判断できる。自分の受け入れられる許容量からはみ出た時に、怖いわけです。
だからそれはとっても大事な成長の節目なんです。
怖がることって、心を守るためにとても大事なことなんです。
小学生になって、教室に入るのが怖いとか、先生が怖いという子は多いんです。
登校しぶりや不登校の子に多いんですけど、先生が他の子を怒っているのが怖い。そして教室が怖くて入れない。
怖さというのは、自分の心を守るための安全装置が働いているのです。
心を守るために、無茶はしないことが大切ですね。
それからお子さんが「怖い」と言った時に「何が怖いのか」「どういうところが怖いのか」を聞いてあげる。
そして「そういうことが怖いんだね」と受け止めてあげる。
怖いと感じたものを言葉で語ると、怖さが出て行くんです。
だから話をすることである程度は解消、あるいは対象化できます。
大人はよく「怖くない怖くない」と言いがちなんですけれど
「あなたが怖いというのはよくわかった。お母さんは大人だから怖くないからね、
お母さんは大丈夫だから、怖くなったらお母さんのところにいらっしゃい」と言ってあげるといいと思います。
お母さんは守ってくれる人、ということを言ってあげると、 お子さんはすごく安心するので、
怖さを受け止める、恥ずかしさを受け止めるということをしてあげるといいと思います。
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アドバイザー:内田良子氏(児童心理カウンセラー)
73年より東京都内数ヶ所の保健所にて相談活動を続け、98年から「子ども相談室・モモの部屋」を主宰し、不登校、非行、ひきこもりなどのグループ相談会を開いている。立教大学非常勤講師、NHKラジオの電話相談「子どもの心相談」アドバイザーも経験。全国各地の育児サークル、登校拒否を考える親の会、幼稚園などでも講演多数。著書『カウンセラー良子さんの子育てはなぞとき』、『幼い子のくらしとこころQ&A』『登園渋り登校しぶり』