JII/OFP【#03】楽しく交流しながらも、悩みを打ち明けられる友人として寄り添う(Otonarisanボランティア体験)

Q:Otonarisanに参加したきっかけは何ですか?

Aさん:自分の英語スキルを役立てたい

元々海外で働いていたため英語での会話が出来たのですが、帰国後はあまりそのスキルを活かすことなく過ごしていました。せっかくのスキルがもったいないし、もし誰か必要としている人がいれば助けになるかなと思い、インターネットで「英語 ボランティア (場所)」などで検索して見つけました。自分の英語スキルを生かしながらも外国人の方に「日本に来てよかった、また行きたいな」と思えるようになってほしいと思い、Otonarisanに参加することにしました。

Q:ペアの外国人住民とどのように交流しましたか?

Aさん:友情が芽生えて、その後も続く関係を築けるようになるまでの助走期間だった

一対一で交流する前に、コーディネーターさんを交えてZoomでビデオ通話をしましたが、その時に抱いた好印象のイメージ通りの方で、最初から緊張することなく自然と話すことができました。ペアになる前にZoomでの顔合わせの機会を設けていただけたのは大変有難かったです。実際に一対一でお会いする際のハードルがぐっと下がりました。

期間中は、大体月に一度、一日使ってどこかへ遊びに行きました。都市観光や海釣りに行くなど、ペアの方にとって初めての経験になるようなことをして一緒に楽しみました。

交流開始から2ヵ月ほど経った頃から、1〜2ヵ月あまり連絡が来ない期間がありました。こちらから連絡してもそこまで会話が続かなかったため、お会いした時に何か良くない印象を与えてしまったかな?と少し思いました。後にそれは単純にお相手の仕事が一番忙しい時期だったと分かり、その後はまた普通に会ったり話したりするようになりました。ペアが必要な時に支えになれば良いかなというスタンスでいたので、特に悩むことなくペアからの連絡を待っていただけで解決しました。

友情が芽生えて二人だけでやっていけるようになるまでの助走期間をサポートしていただけるという意味では、6ヵ月という期間は適切かなと思います。私とペアの場合は割とすぐに意気投合し何もトラブルは起きなかったので、3〜4ヵ月、コーディネーターの方に様子を見ていただくだけで充分でした。

期間が終了した今ではサポートをする側、される側という意識は既になく、お互いにもう友達関係になっています。最終的にはペアが私に悩みを打ち明けるほど心を開いてくれるようになり、活動期間が終わっても友達関係は続くだろうなと思っていた通り、今でも交流は続いていますし、また登山などに行く予定も立てています。

Q:Otonarisanボランティアに興味を持っている方にどんなメッセージを伝えたいですか?

Aさん:外国人の方にとって、悩みを打ち明けられる人がいない状況が苦しいのだと気づいた

プログラムを通して、外国人の方は生活や語学の手助けが欲しいというよりも、悩みを打ち明けられる人が一人もいない状況の方が苦痛に思っているのではないかと思うようになりました。

私のペアは職場での労働環境にストレスを感じており、その愚痴をこぼす相手もいない状態でした。普段は日本語で交流しており、いつも笑顔で明るいことしか言わないペアが、私が聴き相手になると、英語でとめどなく溢れる感じで悩みを打ち明けてくれました。

普段の交流では一緒にレジャーを楽しみながらも「日本語を教えること」が大きな割合を占めていたと思います。しかし頻度は少なくても「愚痴をぶつける相手が最低一人は日本にいる」と言う事実は、かなり心の余裕になるのではないかなと思いました。

参加する前は、ボランティアは「困っている人」と「助ける人」の関係なので、どうしても助ける側がある程度は労力を要するものという印象がありました。しかし実際に参加してみると、こちらが手取り足取り何かをしたわけではなく、たまに話せる良き友人が一人増えたなと言う感じでした。ペアの方もそこまで本格的な日本語や日常生活のサポートを必要としていた訳ではなく、普段から話せる相手が近くにいるということ自体が支えになったようです。なので、ボランティアをそんなに難しく考えなくても良いのかなと思いました。

そういったことに気づかせてくれたOtonarisanの活動は素晴らしいと思います。是非これからも継続していただきたいし、もしどなたかお困りの方がいれば、私でよければ是非またお手伝いがしたいです。